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2008-06-11 Wed 00:28
「クレィドゥ・ザ・スカイ」 森博嗣 ついに、スカイ・クロラシリーズが環となった。(・・・今月末に短編集が発売されるけれど。文庫は随分と先だなぁ。) 衝撃。あぁ、衝撃。 第5弾にして、さらに精錬された言葉遣いと、ドライな雰囲気。 でも、徹底してドライなんだけど、生死というものが、ウェットにすら描かれている。 自分の生に対して無関心なハードボイルドのようでもあり、 その実自由であること、空へと飛び立つ事をただ純粋に希求しているだけの泥臭い話のようでもある。 自分は誰なのか、自分は何なのか、いや、そんなことはどうでもいいと語り、空という何もない空間を求める様は、他者を全く想定しない、完全な孤独を欲しているようでもある。一方で、同じように空へと上ってきた者に対しては、たとえ敵であっても、最大の敬意を払い、神聖さを伴った関係性を持つ。 純粋に何かを望み、純粋にその望みの為に行動する、その純粋性こそが、“普通の”人間が成長と共に捨て去り、キルドレが持ち続けているものなのだろう。その純粋性が、唯一認められ、可視化されるのが、空という純粋な空間。そこへ向かうことを、徹底して望むキルドレの姿が、とても印象的な作品である。 ただ、この巻が、一番難解でもあるんだよなぁ。結局、「僕」が誰なのか、明らかにはされていない。 栗田と函南の関係は?草薙が撃ったという栗田は? ・・・・・・ 栗田=函南という理解は、繋がるだろうか。そうであるならば、草薙によって殺されることを望んだ栗田が、一転函南となって草薙の望み通り射殺するというのは、ストーリーの流れとして、とても面白いものだ。 検索すれば、いくつもの解釈がなされていて、それもまた面白い。 とりあえず、物語世界の雰囲気にあてられやすいので、しばらく間をおいてから、ふたたび読もうと思う。 |
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